夏が終わり、涼風が吹き始めた東京。なんとなく寂しいこの季節を、小説にでもしてみようか。（しない）
そんな秋の夕暮れのことだった。
「あのメール」が届いたのは─。
バイトが終わり、書く気なんてさらさらない小説を空想しながら信号待ちをしていると、ポケットの中で携帯が震える。まるで西野カナだ。
取り出した西野カナの画面を見ると、このブログのサーバーを管理している「エックスサーバー」という会社からメールが来ていた。中を見ると、なんだかわからないがやばそうな文面が書いてある。簡単に内容を要約するとこうだ。
わいの会社でサーバーを貸してるあんたさんのブログの記事が著作権を侵害してるてJASRACから指摘されたで！7日間以内に対応しなかったらブログ凍結するで！どうするかは決めはったら回答をメールで送ってくれはりや！ほなまたな！
これは一大事だ。あのJASRAC様に目をつけられてしまった。
このままではブログが凍結されるだけでなく、黒服を着た男たちに連れ去られ、地獄のデスゲームに参加させられたあげく、最後には地下にある泥をかき混ぜる施設で永久に労働をしなければならなくなってしまう。
途方にくれた僕はポケットの中に西野カナを押し込み、今日の晩御飯は何か考えることにしたのであった。
………
……
…
【4日後】
まずい、早くしないと地下に連れ去られてしまう。
焦った僕はそもそもなぜお叱りを受けたのか考えることにした。
メールによると、先日の記事で侵害してしまったのは、著作権法第21条の複製権及び第23条の公衆送信権（
まあ「カズマノマ」で音楽に関係ある記事はこれしか書いていないので薄々そうだろうとは思ったが予想通りであった。
歌詞を転載し、引用の形にしたつもりであったが引用の要件を満たしていなかったのだと思われる。
めっちゃ頑張って引用をきちんとしても良かったのだが…正しい引用の仕方をインターネットで検索して書き直すのはめんどくさい…でも記事は消したくない…
そして、取られたのがこちらの苦肉の策である↓
クソ記事が、スーパークソ記事になってしまった。死。
ゾンビのような記事になってしまったが、きっとこれなら大丈夫であろう。
ただ、鼻歌を歌っただけでもJASRACに利用料を請求されるという噂も聞いたことがあるので、いつか玄関に黒服の男たちが立っている日が来るかもしれない。
いつか泥をかき混ぜる日に怯えながら…
おわり。
