さようなら、ダルシム。さようなら、珈琲研究会。

どんなことでも確実に終わりは訪れる。カレンダーの日付に抗えない僕たちは、終わりを乗り越えて前に進むのだ。

今日、11月30日。僕にとって大切な2つのことが終わりを迎えた。

ひとつは大好きなカレー屋さんである「ダルシムカリー」の閉店。もうひとつは幹事長をやっていた珈琲研究会の引退である。まあ、ダルシムカリーは場所を変えていつか復活すると聞いてるし珈琲研究会も顔を出すのは全然問題ない(たぶん)のでちょっと大袈裟だが、僕にとっては重大なピリオドであるから記事として残しておきたい。

ダルシムの衝撃

インド座敷にて1辛特盛チーズ牛すじトッピング

僕が初めてダルシムカリー(以下ダルシム)に行ったのは、珈琲研究会(こひけん)の雰囲気にも慣れてきた一年生の秋ごろ、ダルシム2周年記念のイベントをやっている時期だった。

前々からこひけんの先輩方が絶賛していたダルシムのカレーがイベントの恩恵で100円で食べれると聞き、店まで足を運んだところ、とても出来て2年とは思えない古びた??というか異世界感のある謎な店内におどろき&少しの不安な気持ち。

初めて食べたダルシムカリー。インスタから発掘した。

カレーの味は最高だった。今まで食べた中で一番、というより今まで一度も体験したことがない複雑な味で、こひけんで酸っぱいコーヒーを初めて飲んだ時くらいの衝撃を受けた。家に帰ったら服にめちゃくちゃカレーの匂いがついていてさらに衝撃を受けた。

こひけんとダルシム

もう一つの名物、チキンオーバーライス。こひけんでは「チキンオーバーはおやつ」と言われていた。

先ほど少し書いたが、こひけんでダルシムにハマったのは僕が初めてではない。4代~5代ほど上の学年の先輩から脈々と愛されてきたらしく、インスタのストーリーを覗けば誰か1人はダルシムを食べた写真を見ることができるレベルでみんなダルシムに行っていた。

いや、みんなじゃなくて週何度も行く人が何人かいたって感じだったかもしれないけど、こひけんの人はだいたい一度は足を運んだことがあったと思う。なかったらいつか行って欲しい。

毎週こひけんの活動前に、だいたい誰かダルシムに行くのだが匂いですぐにわかるため、「お前ダルシム行っただろ!!!」と言い合ったのもいい思い出。

部室にウーバーイーツしてダルシムを食べたり、合宿の後に先輩が「ダフター(ダルシムでアフターの意。アフダーだったかも)」とか言ってダルシムに行ったりなんてこともあったなあ。(ラッシーありがとうございました)

とにかく僕のこひけん生活はダルシムと共にあったような気がする。

ポイントカードの最高位「マハラジャ」になった記念の回。嬉しすぎて写真はぶれている。スタンプ忘れた時もあったのでここまでで100回くらい来てることになる。

こひけんで知り、生活の一部となったダルシム。こひけんの人と一緒に行くことが多かったが、とにかくうますぎて食べるたびにインスタのストーリーに載せた結果、もうひとつの所属サークルやバイト先の人も興味を持ってくれたので「布教活動」も行っていた。他大なのに食べに来てくれる人もいて嬉しかった。

誰かと食べるダルシムは格別だった。

すべてを変えたコロナ

こひけんの幹事長になったのが去年、大学2年の12月。イベント出店とかいろいろ決まっててすごく楽しみにしていたが、コロナによってサークルも、ダルシムも、というか学校にすら行けなくなってしまった。この時期の苦しさはみんな経験してるしもっと大変な人もいただろうから詳しくは書かないが、一言で言えば絶望だった。布団に入っても日が昇る時間まで眠りにつけず、心が終わっていた。

学校のサークル活動の規制が若干緩和され始め、秋頃には以前に近い形で活動ができるようになった。一年生もたくさん入会してくれて本当によかった。

キャンパス前の並木道

だんだん心が回復する中で、ダルシムの閉店を知った。閉店の日は偶然にもこひけんの幹事長としての任期の最終日だった。

さようなら、ダルシム。さようなら、珈琲研究会。

最初にも言ったが、こんな仰々しいタイトルをつける必要はない。ダルシムはたぶん復活するし、こひけんの人と絶縁するわけでもない。

でも、早稲田のあの場所で食べるダルシム、現役としてのこひけんでの活動は今日でおしまいだ。

わかりづらいが前に8人くらいいる。

最終日。開店前から行列が出来ていた。ギリギリ1周目に食べることができた。

何度も食べたカレー。最後だという実感が持てないまま、スプーンで口に運ぶ。

「うまっ」

自然と漏れた言葉。最後まで驚きのうまさだった。

今日は満月だった。

こひけんもダルシムも、僕にいろんなことを教えてくれた存在だった。アイデンティティの一部でもあった。

ダルシムは閉店した。こひけんも引退だ。全ては終わった。しかし、それは始まりでもある。

何者でもないが、何者にでもなれる僕が、12月のカレンダーの上で待っている。だから、ここで止まって悲しんでいるわけにはいかない。

ありがとう、ダルシム。ありがとう、珈琲研究会。いつかまた出会えるその日まで、僕は全力で走り続ける。

おわりはじまり)

あわせて読みたい

タイトルとURLをコピーしました