
こんにちは
みなさんは冷えた食べ物を温めるとき、どんなものを使いますか?
「火」や「炎」など様々な答えがあると思いますが、その中でも便利なものとして有名なものが

レンジです。
レンジは食べ物を温めるだけでなく、絵を描いたプラバンを小さくすることにも使えるので知らなかった方はぜひ使ってみることをおすすめします!※追記:プラバンを小さくするのはトースターでした。
さて、ここからが本題なのですが、あなたに一つお聞きしたいことがあります。
「レンジを使うこと」を、あなたはどんな言葉で表しますか?
僕は「チン」もしくは「チンする」派です。「レンジを使うこと」を表す言葉は「チン」が唯一かつ絶対であると思って生きてきました。
しかし、ここ数年、急激に勢力を伸ばしてきた言葉があります。それが…

「レンチン」です。
「チン」、「チンする」にレンジの短縮である「レン」を合体させたこの言葉。
意味がわからなくないですか?
そもそも「チンする」の中には「レンジで温める」という意味が内包されているにも関わらず、わざわざ「レン」という余計な二文字を追加するという謎の行為。
言い出した人は読書感想文の文字数が足りない小学生なのでしょうか?
一応周りの「レンチン派」に意見を聞いてみたところ「チンするだと通じない可能性があるから」とのこと。
「チンするって他の意味あるのか…?」と思いgoogle先生に聞いてみたところ、
ちん・する [3]【賃する】
三省堂 大辞林 第三版より
( 動サ変 ) [文] サ変 ちん・す
雇って賃金を払う。 「普賢岳に登らんとせば案内者を-・し/日本風景論 重昂」
このような意味もあったので、ブルジョワジーまで上り詰めると間違えられる可能性があるということが分りました。
しかし、多くの人々は労働者であり、誰かを「賃する」ことはないと思います。慎重派の方々にはぜひ自信を持って「チンする」を使って欲しいと思います。
話が少しずれましたが、「レンチン」という言葉を目にするようになったのはそこまで昔ではないように思います。
小・中学生の頃は(少なくとも周りでは)存在しなかったレンチン。高校時代から大学3年になったここ2〜3年で急激に耳にするようになり、気付いた時には料理サイトもツイッターも「レンチン」、「レンチン」、「レンチン」。とレンチンの連呼。
今や「チンする」という人の方が減ったんじゃないかと思います。
繰り返されるレンチンの嵐に「みんなチンって言おうよ!!!」という時代に取り残されたことに対するやり場のない怒りが僕を支配しそうになりますが、プリプリと怒っていても仕方がないので、いつからレンチンという言葉がこの世にのさばり始めたのか調べてみることにしました。
「チン」vs「レンチン」
レンチンの台頭について調べるため、まずはgoogleトレンドで「チンする」と「レンチン」がどれだけ検索されているかを比較。(チンで調べると関係のないチンが多く混ざったので、「する」を追加しました)
このような結果になりました。

おわかりいただけたでしょうか?2004年から2015年頃まではほぼ同じようなグラフだった「チンする」と「レンチン」ですが、ある時期を境に圧倒的に「レンチン」の検索数のが多くなっています。
「昔よりレンチンという文字を見かけることが多くなった」という感覚は間違いではなかったのではないでしょうか?
そして、気になるのはグラフが急上昇しすぐに急落している地点。
直近5年間(2015〜2020)のものに変更してみると

2016年の後半、11月頃であることがわかりました。
これより少し前にも小さな上昇下降があり、11月の大きな爆発を経て「レンチン」は「チンする」を圧倒的に凌駕するようになりました。
そう、「レンチン革命」が起こったのです。
なぜレンチン革命は起こったか
となれば気になるのは革命を起こした要因です。
ツイッターで2016年くらいのレンチンに関係するツイートを漁ってみたりもしたのですが、特にバズった記事も見つからず原因は掴めないまま…。
電子レンジといえば冷凍食品じゃね?という安直な発想から「冷凍食品 2016」と安直なキーワードで検索を試みたところ、2015年に発売された「ザ・チャーハン」などの影響で冷凍チャーハンブームが起きていたことが判明。
もしかしてチャーハンの影響…?
googleトレンドで「冷凍チャーハン」を入れて検索してみると…

うーん、関係なさそう…?
もしやと思い「冷チャー」でも検索してみましたが

全く使われてませんでした…(確かに検索ワードには入れないかも)
その後「冷凍食品」でも調べてみましたが…

関係なさそうですね。関係ないけど、冷凍食品にも謎の伸びの時期があってとても気になりますね。
さて、これで振り出しに戻ってしまいました。
もともと調査とかやらないタイプなのでこの時点で飽きてきて

「グーグルトレンド早慶戦」を開催したり(早稲田が勝った)

「カブトムシ」と「クワガタ」を戦わせようとしたらどちらもわかりやすく夏にだけ検索されることに感動したりしていました。
しょうがないので本題に戻り考えること数分…
「レンチン」単体で調べてみると(むしろなぜ今までやらなかった)「レンジで簡単に作れる系」レシピが多数出現。
関連ワードをグーグルトレンドに入れてみると、

「レンチン」が急上昇した時に少し「レンチン レシピ」も増えた…?
もしかしたらレシピは関係があるかもしれないと思い調べていくと、
『全部レンチン!やせるおかず作りおき』という本を発見。平日のお昼前の情報番組とかでめっちゃCM流れてるやつですね。
流石に関係ないかな…?と思いつつ検索してみると

え…?同時期に爆発してる…?
他にも色々なワードで調べましたが、「やせるおかず」だけがドンピシャなタイミングで爆発してます。急降下するタイミングもほぼ同じで偶然とは思えません。
もしかしたら、「やせるおかず作りおき」から「レンチン」という言葉が広く伝わったのかもしれません…!知らんけど…!
まとめ
その後も色々調べたのですが、「やせるおかず」以降新しい発見をすることはできませんでした。「レンチン」の発生源は結局わからずじまいとなり、「レンチン」の増殖を止めることは夢のまた夢となってしまいました。
このまま増殖するレンチンを指をくわえて見ているしかないのでしょうか?
いや、そんなことはありません。
「諸行無常」という言葉もあるように、「チンする」派の圧倒的慢心を出しぬき正義となった「レンチン」派もいつか転落する日がくるかもしれません。

「レンジアップ」派は、いつだって地の底から頂点を狙い続けているのです…
おわり
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