猛暑のなか、山手線を徒歩で一周した夏。

線路が入り組んでるところ。奥に見えるのが池袋のビル群。歩道橋の上から撮ったのだが、その歩道橋自体も複雑な形でカッコ良かった。

ぺしゃんこになったアイツがいた。山手線を半分歩いて3本しか見ていない、意外と少ない。

工事現場には謎の絵がたくさん飾ってあった。ライオンの絵だけでなく

やけに立体的な馬の絵などがたくさん描かれていた。面白い絵を貼ることで工事へのヘイトを下げる作戦なのだろうか。

相変わらず登り坂が続く。いつになったら下りになるのだろうか…

だんだん足の付け根が痛くなってくる。しかも空からは小雨が降り出した。

「全然次の駅につかない…」

そう、池袋-大塚駅間は序盤の品川-大崎駅間と同じ、カーブの部分のため距離が他よりもちょっと長いのである。靴からは謎の空気が抜ける感覚も感じて、暑さがマシになった代わりに足へのダメージが大きくなってきた。

と思ったら、下り坂が出現!!!ここから先は楽かもしれない!

15:21 大塚

大塚についた。適度にゆるい下り坂は最高だ。

そう思ったのも束の間、細くてながい、ちょっと上りになっている道が続く。普段ならこんな坂道絶対気にならないが、少しの傾きでも足が歩くのを嫌がってくる。ずっと歩いているのに到着する気がしない。遠くから雷の音も聞こえる。どうにか足を一歩前へ進める。

15:38 巣鴨

なんとか巣鴨に到着したが、心と体がかなり疲弊している。純粋な距離で言えばそこまで歩いていないのだが、朝からの暑さと終わらない坂道が想像以上にきついのだ。おまけに空の色もどんどん暗くなってきた、雷の音も心なしか近づいてきている。次の駅まではなんとか持って欲しい。

疲れているが、雨に打たれるのはもっと最悪なので急ぐ。後ろをみると雨が降っているのがわかる。さっきまでは音しか聞こえなかった雷も、竜のような稲光としてはっきり見えるようになった。完全に追いかけっこである。

16:04 駒込

なんとか逃げ切って駒込に到着。

色素が薄めのポストが暖かく迎え入れてくれた。

それと同時に視界が一瞬真っ白に、遅れて大きな音が耳に飛び込む。程なくして、大粒の雨が降り出した。

雷が尋常じゃないくらい鳴っていて流石に歩ける状況ではなかったので、ドトールで休憩を取ることにした。どこの街にでもあるドトール、最高。

オレンジジュースとナッツのお菓子が心と体に染み渡る。地球の水全部ここに集まってるんじゃないかと思うような激しいゲリラ豪雨で、スマホの雷レーダーもおびただしい数の雷を観測していた。

1時間半ほどでやっと雨が小雨に変わり始めたのでロスをいち早く取り戻すべく出発。かなりの時間止まっていたのでペース的に終電までに帰れるかも怪しくなってきた。

足はだいぶ楽になったが、このままで大丈夫だろうか。焦る僕が空を見上げると…

虹が出ていたのだ。しかも、今までの人生で見た中で一番大きい虹だ。企画としては出来過ぎなくらい綺麗な虹だけど、心の底から綺麗だと感じた。

さっきまで歩いていなかったかのように、心と足が軽くなった。いける。きっと大丈夫。

ここは山手線唯一の踏切だ。看板に描かれた汽車が可愛い。

言われてみれば、確かに山手線は踏切を通るイメージはないが、まさか一つしかないとは思わなかった。しかも、この踏切も廃止が決まっているらしい。見ておいて良かった。

虹も見れて、唯一の踏切も見れて、謎のポストも発見できて、テンションは最高潮だ。どんどん進もう。

17:51 田端

田端に到着。まだ虹が出ていて綺麗。

田端から少し歩くと新海誠監督の映画『天気の子』の聖地になった場所があるので少し遠回りになるが足を伸ばす。思った以上に坂がキツかったが辿り着いた。

『天気の子』の陽菜の家の近所で、ラストシーンで2人が再開する場所。この日の天気の状況も相まってそれっぽい。

そういえば『天気の子』は山手線のシーン多いよね。すごい速度で何駅もダッシュしてたけどあれは無理だわ。主人公は相当ガッツある。

ここまでで山手線の大きいカーブも終わり、あとはひたすら南に下るだけになった。足の疲労感はすごいけど心が安定しているので大丈夫。

18:09 西日暮里

西日暮里だ。日暮里の西にあるに違いない。

18:28 日暮里

特にいうことがないまま日暮里に辿り着いた。舎人ライナーという謎電車も走っている。

駅が少し高いところにあるので、夕焼けと相まって景色がとても綺麗だった。

ありがたい系のお言葉。普段は流してしまうけど、辛い時に見るとすんごい救われる。

18:48 鶯谷

鶯谷についた。

過酷さは昼のがあったんだけど、やっぱり足への蓄積でかなり疲れている。

途中通ったラブホ街の写真も信じられないくらいブレてるし

「立小便禁止」の圧が強い看板もすごいブレてる。

階段が嫌すぎて記録したであろう写真もブレっブレだ。雨が上がって、蒸し蒸しとした暑さが襲ってくるのも地味にきつい。知らない場所でいつ終わるかわからないという不安感もあったが、もうすぐそれも終わる。

なんとなく見覚えのある景色が僕の前に現れた。いよいよラストスパートが始まる。

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